卸売・流通

大手卸売・流通企業のDX推進 ─ WorkPeerによる営業業務の高度化

全国に複数の物流拠点を持つ大手卸売・流通企業に対し、約1年間にわたって営業DXの検討・推進を支援しました。属人化していたExcel見積、仕入先見積書の自動読取、商品マスタ照合、価格・特引計算、得意先別フォーマット出力、滞留在庫の早期判断までをWorkPeerで業務フロー化し、人が確認・調整できる形で現場運用へ接続した事例です。

卸売・流通企業の営業DXを示す業務フロー図。仕入先見積書、WorkPeer抽出、商品マスタ照合、価格・特引計算、得意先別出力、滞留在庫判断、マスタ品質検証の流れを示す。
卸売・流通の見積、価格決定、在庫判断をWorkPeerで接続する業務フロー。

対象部門

営業部門・商品管理部門・DX推進部門

導入検討のきっかけ

見積書作成や在庫管理が個人のExcelに属人化し、業務効率と精度の両立が難しい

業務上の課題

営業担当者ごとに異なるExcelで見積書を作成しており、価格交渉の履歴や特引条件が個人のPCに閉じていました。仕入先から届く見積書のフォーマットは数十種類以上あり、商品コード、単価、特引条件の読み取りは手作業に依存。さらに、期限管理が必要な滞留在庫の処理判断も属人的で、早期に動けば選択肢が残るにもかかわらず、月末に追い込まれて廉価販売せざるを得ないケースが発生していました。

設計方針

WorkPeerのドキュメント処理能力とワークフロー機能を活用し、「見積書の自動読取→商品検索→価格決定→得意先別フォーマット出力」の4ステップを一気通貫で設計しました。人が業務ルールを書けるプログラマブルな仕組みと、LLMによる中間表現変換を組み合わせ、AIに全てを任せるのではなく、営業担当者が確認・修正しながら使えるHuman-in-the-loopの構成にしています。

開発の詳細

01

業務理解フェーズでは、現場の営業担当者へ複数回のヒアリングを行い、卸売業の利益構造(売買差益=納価−仕切−即引−特引)を数式で整理しました。営業が実際にコントロールできる変数を「納価」と「特引」に絞り込み、AIが介入すべき判断点を明確にしました。

02

見積書インポート機能では、Excel、PDF、スキャン画像など数十種類の仕入先フォーマットに対応するベンチマークデータセットを構築。WorkPeerのLLMが商品情報、単価マスタ、特引マスタなど複数テーブルへ正規化して抽出します。

03

抽出データの検証UIとして、列志向のBounding Box表示を独自開発しました。抽出データの列を元のPDF/Excel上で色分けハイライトし、「塊が一致していればOK、途中で切れていれば抽出ミス」という視覚的パターンで、人間が高速に正誤判定できるようにしています。

04

価格決定・特引調整機能では、目標粗利率から逆算して必要な特引条件を自動算出します。仕切価格の変更を赤文字でハイライトする「取り損じ防止」機能により、営業担当者が事故につながる価格差分を見逃さない設計にしました。

05

滞留在庫の処理支援では、月初の割当表に過去実績・特売予定を自動統合し、「自然消化」「自力交渉」「他営業に協力依頼」の3パターンへの仕分けをWorkPeerが提案します。早期に動くほど選択肢が残るという業務構造を可視化し、月末の廉価販売に追い込まれにくい運用を目指しました。

06

商品マスタの品質検証では、既存システムの登録データと商品画像の縦横比を自動比較し、数千件規模でサイズ登録ミスを検出しました。さらに、メーカー側の都合で発生する商品コード変更を自動検知するプログラムを構築し、発注、売上実績把握、棚割提案の3業務へ横断的に効くデータ品質改善につなげています。

成果

見積書の読取〜価格決定を一気通貫で仕組み化
数十種類の仕入先フォーマットに対応するLLMデータ抽出を実現
滞留在庫の早期判断を支援し、廉価販売リスクを低減
商品マスタの品質異常を数千件規模で自動検出
WorkPeerLLMドキュメント抽出Bounding Box検証UIHuman-in-the-loopクラウドデプロイ

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