精密製造・検査工程
割れやすい部品を扱う多指ハンドとロボットアームの検証
薄いガラスレンズ、セラミックリング、微細な精密部品のように、わずかな荷重や姿勢ずれで破損する部品を扱う検証事例です。多指ハンド、ロボットアーム、視覚認識、触覚・力制御を組み合わせ、どこを支え、どの速度で近づき、どの力で保持し、いつ離すかまでを工程として設計します。

対象部門
生産技術・品質保証・ロボット導入部門
導入検討のきっかけ
薄いガラス部品やセラミック部品など、壊れやすい部品を人手に頼らず安全に扱いたい
業務上の課題
割れやすい部品は、通常の平行グリッパで挟むだけでは、欠け、滑り、微細な傷が発生しやすくなります。透明・反射する部品では輪郭検出が不安定になり、トレー上のわずかな傾きも失敗につながります。力を弱めすぎると搬送中に落下し、強めすぎると品質不良になるため、視覚だけでなく触覚と力のフィードバックを組み合わせる必要がありました。
設計方針
アーム制御、ハンド制御、認識AIの役割を分けて設計します。ロボットアームは安全な接近姿勢と低振動の軌道制御を担当し、多指ハンドは柔らかい指先、触覚センサー、保持力の上限設定で部品を扱います。VLA(視覚言語行動モデル)や画像認識は、部品の種類、姿勢、支える候補位置、避けるべき姿勢を判断し、人が確認できる動作条件に変換します。
開発の詳細
対象物分析では、部品の材質、割れやすい方向、許容荷重、表面摩擦、反射、トレー内の姿勢ばらつきを確認し、持ってよい領域と避けるべき領域を定義します。
視覚認識では、透明部品や白色部品でも姿勢を推定できるよう、照明条件、カメラ角度、背景治具を含めて設計します。AIは「中心位置」だけでなく、接触すべき縁、支える面、傾きの危険度まで出力します。
多指ハンド側では、柔らかい指先パッド、接触面積、指の開閉順序、保持力の上限を調整します。触覚センサーで初期接触と滑りの兆候を検知し、過荷重を避けながら安定して保持します。
ロボットアーム側では、接近、保持、持ち上げ、搬送、載置を低加速度の軌道として設計し、部品に衝撃が入らないよう速度、停止位置、退避姿勢を細かく制御します。
PoCでは、破損、落下、位置ずれ、持ち直し、サイクルタイム、作業者介入回数を評価指標にし、量産工程へ入れる前に治具・ハンド・認識モデルの組み合わせを比較します。